三障四魔とは、仏教における修行の障害となる三つの障りと四つの悪魔(魔羅:マラ)をいいます。
聖道や善根の起こるのをさまたげ、私たちの善心(=菩提心)を害する諸経典に説かれている三種の障りと、四種の魔のことをいいます。
災厄や不幸を招き、仏道修行の妨げとなるものです。しかし、それらを克服することで運気が上昇し、夢や希望がかない、また、仏道修行者においては悟りが得られます。
なお、三障四魔の害悪を受けないために十善戒を保つことが大切です。
三障(さんしょう)
● 業障(ごうしょう):次生は必ず地獄に落ちるとされています。
※ 五無間業:ごむけんごう
● 煩悩障(ぼんのうしょう):絶えず現れて除去しがたい煩悩のこと
● 異熟障(いじゅくしょう):全く悟る機会のありえない環境に生まれること。
※ 他の呼び名に「報障」(異熟障:地獄、餓鬼、畜生の苦報など)があります。
他方、四魔(しま)とは生命を奪い、またその因縁となる四つのものを悪魔にたとえたものです。
大智度論(だいちどろん)によれば、生命を奪い、またその因縁となる四つの魔(殺すもの)のことです。
四魔(しま)
● 煩悩魔・・・百八の煩悩などをいう
● 陰魔(おんま)・・・五蘊(五陰:ごおん)
※ 経典によって、身魔、蘊魔
● 死魔・・・五蘊の相続を破する死をいう。
● 天子魔・・・世間に愛着せしめて仏道を憎嫉せしめる天子をいう。
※ 経典によって天魔、他化自在天魔ともいう。
なお、三障四魔の害悪を受けないためには三学や六波羅蜜、特に、十善戒を保つことがとても大切です。
衆生の善心を害するもっとも根本的な3種の煩悩を毒にたとえたものです。
● 貪(とん):むさぼり、欲望にまかせて執着する心
● 瞋(しん):いかり、怒りや恨み、自分勝手な怒りや憎しみの心
● 痴(ち):おろかさ、不平や不満、妄想や無明(迷いの心)
こうした三毒は人の善心を害する3種の煩悩(ぼんのう)ということで「三不善根」などとも呼ばれています。
さらに、不幸の三大要素「病気・貧困・争い事」を招く苦しみの根源です。
たとえば、貪(むさぼり)は、暴飲暴食により健康を害する引き金に、
瞋(いかり)は、対人トラブルや争い事、交通事故や訴訟を招き金銭面で苦境に追い込まれる。
痴(むち)は、凝り固まった考え方や間違った物事の見方により簡単に人を信じて騙されたり利用されたりしてお金を失ってしまう。
また、自己愛着にとらわれた自分勝手な生き方であり、あらゆる不幸(病気・貧困・争いごと)を生み出す原因です。