真言(しんごん)とは、サンスクリット語のマントラの訳語です。
宇宙の真理を表した言葉であり、「真実の言葉、秘密の言葉」といった意味があります。
古より真言には不思議な力が秘められていて、真言を唱えることで様々な効験や効力を授かるとされてきました。
たとえば、病気や災難を防いだり、幸運を引き寄せ運気が上昇します。一心に念ずることですべての願いが叶い、どんな苦難や困難も克服され、不安や悩み一切の苦しみから解放されるとされています。
また、命の危険が危険が差し迫ったとしても、トラブルに巻き込まれたとしても、病気や怪我、病魔や死魔、三障四魔が襲ってきたとしても、そうした災難から逃れることができるとされてきました。
真言は密教の奥義であり、密教の修法や修行において重要な役割を果たしています。
密教では真言を唱え、仏や菩薩などを観想することで、現世利益を得たり、悟りを開くことができるとされています。
■ 真言とは
〈呪〉〈神呪〉〈密呪〉(密言)などとも訳す。
本来は『リグヴェーダ』の本集を形成する神聖な呪句をいった。
サーヴィトリ呪に代表されるそれらは、多くの神々に対する呼びかけ、誓願の句であるが、
この句それ自体に神聖な力(それが梵(ぶらふまん)の語源であるとされる)が宿っており、神々をもその意味のごとくに支配するものと考えられ、この力に依頼して公的私的な祭祀においてバラモン(婆羅門)僧によって誦唱された。
「真言」. 中村元.『仏教辞典苑』第 二 版. 岩波書店,2002,p.567.