はじめに
五大とは、森羅万象に遍満する地・水・火・風・空の五つの要素のことです。
宇宙のあらゆる事象の根源であり、すべてのものが五大から成り立っていると考えられています。また、五大は人間の身体や心にも対応しており、五大を調和させることで、健康や幸福を得られるとされています。
五大や六大の知識を深めると、金剛合掌の効果がより高まります。
そこで、五大の意味や役割、バランスの整え方について解説します。
五大には、それぞれ独自の意味と役割があります。
五大は、宇宙のあらゆる事象の根源であり、すべてのものが五大から成り立っていると考えます。
■ 五大(意味と役割)
● 地:個体や固形物、堅固さや安定など表します。
※ 例えば、人間の身体の骨格や肉体など
● 水:液体、流動性や変化を表します。
※ 例えば、人間の身体の血液や体液など
● 火:熱エネルギー、変容や成長を表します。
※ 例えば、人間の身体の体温やエネルギーなど
● 風:気体、動きや変化を表します。
※ 例えば、人間の呼吸や心の動きなど
● 空:虚空や空間、無限性や可能性を表します。
※ 例えば、人間の意識や精神など
五大(ごだい)
地・水・火・風・空〈五大種〉(五大主要元素)。(大)とは万物の拠り所として広くゆきわたっていることを意味する。倶舎(くしゃ)・唯識(ゆいしき)などの顕教(けんぎょう)では万物を構成する要素として〈四大種〉を説くが、密教ではこれに空大を加えて〈五大〉、さらに識大を加えた〈六大〉を説く。
「五大」. 中村元.『仏教辞典』第 二 版. 岩波書店,2002,p.335.
五大は、常にバランスを取り合っています。
もし、五大のバランスが崩れると、さまざまな問題が生じます。
以下に一例を挙げます。
■ 五大(バランス)
▼ 地が過剰になると、固執や頑固さなどの問題が生じます。
※ 固定観念、偏見やバイアスを生じやすくなります。
▼ 水が過剰になると、感情のコントロールが難しくなるなどの問題が生じる。
※ 気持ちの浮き沈みが激しくなります。暴飲暴食や、いろいろな依存症を引き起こしやすくなります。
▼ 火が過剰になると、衝動や攻撃性などの問題が生じる。
※ 対人関係や人間関係で衝突やトラブルを起しやすくなります。
▼ 風が過剰になると、不安定さや不安などの問題が生じる。
※ 精神的な安定を失い、不安や恐怖、絶望感に襲われやすくなります。
▼ 空が過剰になると、無感動や無関心などの問題が生じる。
※ やる気が出ない、うつ病や引きこもりなど。
五大のバランスを整えることが、健康や長寿、幸福や幸運を引き寄せ、人生をより豊かに送ることができるになります。
五大のバランスを整えるためには、さまざまな方法があります。
大きく分けて、身体に働きかける、神経に働きかける、精神に働きかけるの3つがあります。
1.身体に働きかける方法:ウォーキングやジョギング、エクササイズやフィットネス、ヨガやピラティス、ヨーガ(タントラ系)や仏道修行などの身体活動。
2.神経に働きかける方法:呼吸法(阿息観、浄化の呼吸、丹田腹式呼吸法など)
3.精神に働きかける方法:、マインドフルネスや内観、月輪観・阿字観、瞑想や座禅など精神を静め安定させる。
※ また、ヨーガや仏教の哲学、仏教や密教の教えを学び知識を深めるもの。
「肉体→神経→精神」の流れを意識し、五大の理解を深め、五大のバランスを整えていきましょう。
当方では、複数の真言を組合わせて唱える場合に、「五大」の原理と合わせて「陰陽五行」なども意識しています。
陰陽五行とは
陰陽・五行とは、古代中国で生まれた自然哲学思想です。
森羅万象には、「陰」と「陽」という二つの相反する性質のもの(天と地、動と静、強と弱、表と裏、男性と女性)が、互いに影響し合い、常に循環し、生滅を繰り返し変化すると考えます。
他方、五行は、宇宙万物が「木」「火」「土」「金」「水」という五つの元素から構成されていると捉えます。
● 木:植物の木(成長、生命力、青色など)
● 火:燃える火(熱情、活動、赤色など)
● 土:広大な大地(安定、生産、黄色など)
● 金:鉱物(冷静、収縮、白色など)
● 水:水・液体(知性、循環、黑色など)
なお、それぞれの五行は、互いに相生(そうせい:好ましい関係)や相剋(そうこく:好ましくない関係)、比和(ひわ:可も不可もない関係)のバランスを保ち存在しています。
■ 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
大集経(だいじっきょう)虚空蔵品や虚空蔵菩薩経などに説かれる虚空のごとく無量の智慧や功徳(くどく)を蔵する菩薩。
密教の教主である大日如来の働きのうち、〈虚空〉と〈蔵〉とう特性を持った菩薩。
虚空は何ものにも打ち破られないから無能勝であり、蔵はすべての人びとに利益(りやく)安楽を与える宝を収めているという意味である。
「虚空蔵菩薩」. 中村元.『仏教辞典』第 二 版. 岩波書店,2002,p.320.
■ 種子(しゅじ)
密教において、尊格を象徴するとされる梵字(ぼんじ)。〈種子しゅうじ〉と区別して、〈種字〉と綴られる場合もある。
「種子」. 中村元.『仏教辞典』第 二 版. 岩波書店,2002,p.500.
※ 文章の中に出てくる仏教用語を『仏教辞典』から引用しています。
お役に立てれば幸いです。
五大は、仏教や密教において重要な概念です。地・水・火・風・空の五つの要素は、宇宙や人間の身体、そして精神を構成する基礎と考えられています。
例えば、「地」は肉体・身体、「水」は血液、「火」は体温、「風」は呼吸、「空」はこれらすべてが融合した状態です。
また、私たちの日常生活に関係するさまざまな形で表れています。
例えば、地(ち)は、私たちが暮らす大地や住む家、また歩く道を象徴しています。水(すい)は、川や海、飲む水をはじめとする生活水。火(か)は、太陽やマグマの熱、また日々の生活で使う火など。風は、そよ風や呼吸する空気(気体)。そして、空(くう)は、空間や、私たちの存在です。
つまり、こうした私たちの身近に遍満する五大を深く感じたり理解することで、宇宙の真理や、人間の存在の意味に近づき、日常生活をより豊かに、より深く味わうことができるようになると思います。
そして、幸福や幸運を引き寄せ、人生を成功・開運させるヒントやコツがあります。
読者の皆さんもぜひ身近なこと(五大)に意識を向けてみてください。
新しい発見がきっといろいろとできます。
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